「5年間の成長」
木更津マジック
1月10日は成人式でした。式後の同窓会に呼ばれていたのですが、第6波の影響で参加を
自粛するように通達がきたので残念ながら欠席しました。
昼過ぎに5年前の野球部OBが花束を持って挨拶に来てくれました!
本来はこっちがお祝いをしなければならないところですが、そんな心温まる気遣いに感動しました。
この代は、私が赴任した時の2年生で、卒業まで担任として学年を担当した生徒たちでした。
当時を振り返ると、赴任する前は強いけどチャラチャラとしたチームの雰囲気が気になり、
あのチームには絶対に負けたくないと思っていたチームでした。しかし、いざ選手たちを目の前に
すると素直で、一生懸命で、なんでこの子たちのことをあんな風に見ていたのだろうかと不思議に
思えるほどでした。
そこで、初日の選手ミーティングで、「俺は君たちのことを誤解していたようだ。申し訳ない。
すまん。でも、外から君たちはよく思われていない。それがとてももったいない。だから、
周りから愛されるチームを作ろう。信じてついてきてほしい。」と伝えたのを覚えています。
去年成人を迎えた当時の3年生とこの2年生たちは、その初めてのミーティングの後から1週間もし
ないうちに、目の色を変えて練習し始めました。声が枯れるくらいの声出しランニングやアップ、
全力疾走、伸びた髪の毛を丸坊主にし、闘う集団になっていきました。
2年生17人の野球部員は、途中で1人退部してしまい、16人になりました。この世代で千葉県制覇を
するという目標を胸に毎日練習していました。もちろん上手くいかないことの方が多く、戦力はあ
るのになかなか勝てない日々が続いていました。練習試合から負けて帰ってきた後のミーティング
で「お前らが勝てないのは俺のせいだ。本当にすまん。もっと野球を勉強してお前らを必ず勝たせ
る」と伝えました。
ある練習試合後、相手監督から選手たちに「君たちはどんな野球を目指しているチームなの?」
という問いに対して明確に答えられなかったことを指摘されました。
確かに、いいチームを作ることに専念し、野球ができていなかったことに気付かされました。
その後、繋がりのない他支部とも積極的に練習試合をお願いして、いろいろな野球を知り、守備や
攻撃の戦略もたくさん勉強しては、その練習をするような日々の繰り返しでしたが、なんだか心に
違和感を覚えるようになり、自分が監督としてどんなチームを作り、どんな野球をしたいのかの
原点にたどり着きました。
それは、
何があっても仲間を信じ、最後まで諦めない野球
というものでした。
目標が明確になり、勝つための作戦に目を向け過ぎていた頃よりも、この選手たちをどのチーム
よりも繋がりの強い仲間にしようと思って指導しました。
よく言われる「目標」と「目的」の違いですが、その当時の私の場合は、「目的」こそ「目標」
だったのかもしれません。だからこそ、選手たちとたくさんぶつかることもあり、苦しいことも
ありましたが、今思えば、毎日が本当に青春の日々でした。
当時のキャプテンは、自分の考えや野球観を強く持ち、納得しないと私にも噛み付いてくるような
選手でした。最後の夏の総体直前の6月上旬まで、そのキャプテンと心の底から繋がれず、試合中に
キレて、私への不満の感情をむき出しにしました。
しかし、その日が大きなターニングポイントとなりました。その練習試合中に、試合の采配を第2
顧問に任せ、キャプテンに私の想いを語り続けました。人前で涙を見せるようなことがない男で
したが、私の話を聞きながら大粒の涙を流し、男と男の固い握手をしました。心と心が完全に
繋がった瞬間でした。
そこから総体までの1ヶ月は、グランドに行くのが、楽しくて仕方がなかったです。
最後の総体では、しっかりと県がけの準決勝を勝ち、目標の優勝に向けた決勝戦。
劣勢のまま迎えた終盤でキャプテンに打順が回ってきました。ネクストバッターサークルから
バッターボックスに入るときに、ベンチの方に歩いてきて、
「先生、どうやったら俺打てますか?」と聞いてきました。正直、そこでどんなアドバイスをした
のかは覚えていませんが、「こいつ、俺を頼ってきてくれたんだな」って思ったら、今まで何度も
何度もぶつかってきたことが、走馬灯のように思い出され、胸に熱いものが込み上げてきました。
その打席で左中間を破る3塁打を打ちました。今までの苦労はこの1打席のためにあったんだと
心の底から思いました。
結果、決勝で負けてしまい、県制覇を掲げた県大会も1回戦で敗れてしまいました。
今思い返せば、私の「目標」は「目的」の達成であり、その目標を達成した満足感があったから
なのではないかと思っています。
卒業後は、別々の進路を歩み、多くの選手が高校野球を続けてくれました。そうでない選手も
この5年間一生懸命に歩んでくれたのだと思います。
そんな選手たちですが、中3の2学期に野球部の仲間を亡くし、辛い経験もした選手たちでした。
成人式に行く前に、みんなで集まってその仲間の家に挨拶に行っていました。心やさしく、逞しく
成長した教え子たちを心から誇りに思います。
キャプテンが嬉しそうに抱きついてきました!
「先生、落ち着いたらまたみんなで集まるのでその時は来てくださいね!」と…
当時の4番バッターは、今、木更津マジックのスタッフとして私を助けてくれています。
本当にこれこそ教師冥利に尽きるというものです。
今日は会いにきてくれてありがとう!
そして成人おめでとう!
やっぱり野球3150です!
その一瞬に夢中になれっ!
〜想いを胸に、期待をカタチに〜
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