「葛藤と感謝」
木更津マジック
8月28日は、木更津マジック2期生の引退送別紅白戦でした。
昨年度の1期生は、夏の総体もなく、選手たちも悔しい想いをし、保護者の皆様も我が子の最後の
勇姿を見ることも許されないという悲しい想いに寄り添い、木更津マジックとして何かできないか
と考えた末に、この引退送別紅白戦を実施しました。
あれから1年…
いまだ、コロナの影響は改善するどころか悪化の一途をたどっています。
この状況下での開催は、本当に悩みました。代表から頂いた言葉「悩むな！考えろ！」を実践して
も、何が正しくて、何が間違いなのか、答えの出ない問いを、ただひたすらに何周も繰り返す日々
でした。
誰からも愛されるチーム。それが木更津マジックの目指すチームです。しかし、スタッフの多くが
教職員であり、これから始まる2学期に向けて多くの制限がかかることが示された中、目の前の期待
をカタチにすることで、失うものがあってはならないという想い…
大事な時期に、感染を拡大させてしまったらどうしよう…
スタッフの立場を脅かすようなことになってしまったらどうしよう…
選手や保護者の皆様の期待を裏切りたくない…
ただ、純粋に野球がやりたい…
何が善で、何が悪なのだろうか…
そんな出口の見えない問いを、いくら考えても、命と天秤にかけた時には、NOしか出てこない。
本当は、PMに選抜の練習会も予定していましたが、結果、AMの3年生紅白戦だけ実施し、
PMは中止。新人戦の中止が決まった1・2年生にとっては、貴重な練習の時間でした。
別に、1・2年生の活動を軽んじているわけではなく、今回は、最後の締めくくりの大事さを優先
したという決断でした。1・2年生には本当に申し訳ない気持ちです。
この問いに正解はありません。というより今の正解は、全てを中止するというのが妥当なのだと思
います。
しかし、間違いなくそこには、選手たちや保護者の皆様、スタッフの笑顔がありました。マスクを
していてもわかる素敵な笑顔でした。
試合は、リエントリー有りの全員打順制。要するにエンジョイベースボールです。しかし、なんだ
かんだ言って、選手たちの顔は真剣で、その一瞬に夢中になっていました。
7回表まで3-2。裏に連打と四球で同点。最後の最後まで絡れ、あと一本が出ずに3-3の引き分け。
からの全員ジャンケンで決着！木更津マジックらしい終わり方でした！
最後の場面では、逆転のサードランナーに「パスボールでも動くな」という謎の指示を出す私…
本当に楽しい時間でした！
その反面、この状況下でこんなに楽しんでいていいのだろうかという想い。こんなに素敵な時間を
生み出せるこのチームが、ヒールになってしまうのは絶対に嫌だ。そんな複雑な心境もありました。
しかし、人生において区切りというのは、選手たちにとっても、保護者の皆様にとっても、我々
スタッフにとっても… やはり大事なものです。
感謝の気持ちを伝える場所を用意するための時間だったのかもしれません。
代表選手の言葉の中にこんな言葉がありました。
「僕は1年早く生まれてこなくてよかったです。もし1年早く生まれてきていたらこんなに楽しい
1年間は送れなかったです。本当に幸せな1年でした。ありがとうございました！」
楽しさや悔しさだけではない。技能の向上だけではない。達成感や仲間との出会いだけではない。
今回の実施の決断に対する賛否は、もはや脳裏にはなく、選手に「幸せ」を届けられたこの1年間を
誇りに思います。
色々な困難があったこの1年。
正直、お腹いっぱい野球ができたわけではない。
それでも、
楽しく野球をしてくれた選手たち、
暖かく見守ってくれた保護者の皆様、
力を貸してくれた指導部、
陰で支えてくれた代表をはじめとする運営部、
多大なる応援をいただいた企業の皆様、
そんな全ての方々への感謝の想いでいっぱいです！
最後に、涙を浮かべて挨拶に来ていただいた保護者、「感謝しかない」と言ってくださった保護者、
今日は参加できなかったけれど、ご丁寧に感謝のメールをくださった保護者、笑顔いっぱいで
帰っていった選手たち。
チームのスローガンがそこにありました。
木更津マジックは、未来永劫、素敵なチームであり続けます。そしていつか全国に木更津マジック
の名前を轟かせたいと思います。
この子たちが、自分の過去を誇れるように！
その一瞬に夢中になれっ！
〜想いを胸に、期待をカタチに〜
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